ファクタリングコラムcolumn

  • 法務
ファクタリングの違法業者・悪徳業者の見極め方

少なくなってきたとはいえ、ファクタリング業界に未だ違法業者や悪徳業者が存在することは否めません。正しい知識を持たず、契約書を確認しないままサインすると、ヤミ金と取引する危険性があります。

ただ、むやみに恐れる必要はなく、この記事で紹介する確認点を抑えていれば問題なく回避できるリスクです。

この記事では、ファクタリングにおける違法業者や悪徳業者の手口や特徴を解説するとともに、「どうしたら騙されないか」「優良ファクタリング会社の選び方」を詳しく解説致します。

違法業者のまとめ

違法業者の特徴は、ファクタリングを装って貸金業登録をせずに融資を行う業者

  • 売掛金が回収できなかった場合に利用者に損失を負担させる
  • 利用者から利息を取る
  • 給与ファクタリングを提供

悪徳業者のまとめ

悪徳業者の特徴は、違法性はないが手数料が著しく高い等、利用者に不利益な条件で契約させる業者

  • ファクタリング手数料が著しく高額/不明瞭
  • 見積書や契約書がなく、利用者負担のコストやリスクが不明確

事前に違法業者、悪徳業者を見極める4つのポイント

違法業者や悪徳業者には特徴があります。これら特徴を理解しておくことで、契約前の段階で、違法ファクタリング業者か否かを簡単に見極められるようになります。

もし1つでも該当していれば、そのファクタリング業者の利用は避けるべきです。どれだけ魅力的だったとしても、利用しない方がいいでしょう。

違法・悪徳業者の特徴がわかる契約前の見極めポイントについてご紹介します。

1. 会社情報(住所、固定電話、公式サイト)が開示されているか

住所の記載がなかったり、連絡先が携帯電話のみ、公式サイトが無いなどの場合、違法・悪徳業者の可能性が高いです。

住所の記載があっても架空住所の可能性がありますので、疑ってみることも必要です。

連絡先を聞いても教えてくれない場合はNGですが、固定電話だからといっても安心はできません。逆転送という技術を使えば03/06/0120/045などあらゆる電話番号であっても携帯から着信・発信することができます。

電話番号を元に相手がヤミ金かどうかをさらに詳しく調べる方法は「電話番号検索サービス」を使うと良いでしょう。代表的なサービスは以下の通りです。

これらのサービスの検索バーから調べたい電話番号を検索することで、その電話番号の相手の情報を知ることができます。

2. 「審査無し」「簡単」などのメリットを強調

ファクタリング会社は必ず丁寧に審査を行います。「審査無し」や「簡単」などのメリットを強調する業者は疑った方がいいでしょう。

ファクタリングは売掛金を譲渡する「売買契約」のため、貸倒れリスクはファクタリング会社が負います。つまり万が一売掛金が取引先から入金されなかった場合、ファクタリング会社に損失が発生します。

審査項目は、①売掛先の信用力、②売掛金の信用力、③利用者の信用力です。

審査無し又は審査が簡単なファクタリング会社は、貸倒れリスクを利用者に押し付ける可能性があるので、利用は避けた方がいいです。どうしても利用したい場合、契約条件に「買戻請求権」「償還請求権」「担保」「経営者保証」等が付いてないか必ず確認してください。

3. 貸金業登録無しで融資や給与ファクタリングを勧めてくる

融資や給与ファクタリングを提供するためには貸金業の登録が必要です。

違法・悪徳業者の場合は、利用者がファクタリングのつもりでも「契約書を見たら融資の契約になっている」可能性もあるので、注意が必要です。

また、給与ファクタリングとは、労働者個人が勤務先から給与を受け取る権利を”給与債権”とみなして、給与債権をファクタリング業者に売却し、給与支給日より前に、手数料を差し引かれた額で現金化する個人向けサービスです。

2023年2月、最高裁は給与ファクタリングが、貸金業法が適用される「貸し付けにあたる」との判断を示しました。貸金業である以上、無登録のファクタリング業者が取り扱うことは違法行為であり、出資法違反・利息制限法違反が適用されます。給与ファクタリングは金融庁や東京地裁でも貸金業法に該当すると見解を出しています。
出典:警視庁「無登録の給与ファクタリング業者に注意!」

実際のところ、給与ファクタリングを謳う業者のほとんどは無登録で、お金に困っている個人から法外な手数料を徴収してきます。つまり闇金と全く同じです。

これからファクタリングを利用しようと考えている業者のサービス内に「給与ファクタリング」という項目があった場合、その業者の利用は避けるべきです。

4. 見積書を出さない、見積内容が不明確

ファクタリング申込み後、見積書が出ることが一般的です。しかし、以下のようなケースに該当する場合、違法・悪徳業者の可能性が高いと疑ってみた方が良いでしょう。

  • 「見積りを出してない」と言われる
  • 見積書の明細や根拠が無く、概算の買取価格のみが書かれている
  • ファクタリング契約に不要な保証料や手付料などが含まれている

契約時に違法業者、悪徳業者を見極める6つのポイント

次に違法・悪徳業者の特徴がわかる契約時の見極めポイントについてご紹介します。

1. 契約書がない、内容が曖昧

ファクタリング契約する場合、売掛金の売買に伴う「債権譲渡契約書」を作成します。しかし、以下のようなケースに該当する場合、違法業者又は悪徳業者の可能性が高いと疑ってみた方がいいでしょう。

  • 契約書が無い又は渡さない
  • 契約書のタイトルが「債権譲渡契約書」ではなく融資で使われる「金銭消費貸借契約書」となっている
  • 無用な確認事項が多く、条件が分かりにくくなっている

2. 買戻請求権・償還請求権(リコース)が付いている

「買戻請求権」とは、売掛先の倒産などで譲渡した売掛金が回収できなくなった場合、ファクタリング会社が利用者に売掛金を買い戻すことを請求できる権利のことです。

「償還請求権」とは、売掛先の倒産などで譲渡した売掛金が回収できなくなった場合、ファクタリング会社が利用者に売掛金の代金を支払いを請求できる権利のことです。「リコース」とも言います。

簡潔に言えば、どちらも売掛先の倒産などで譲渡した売掛金が回収できなくなった場合、利用者がファクタリング会社に売掛金の支払いを要求されます。

ファクタリングは売掛金を譲渡する「売買契約」のため、貸倒れリスクはファクタリング会社が負います。つまり万が一売掛金が取引先から入金されなかった場合、ファクタリング会社に損失が発生し、利用者に対して、貸倒れの請求、つまり償還請求をすることはできません。

このようなサービスとして提供できるのは、銀行や貸金業者などに限られ、融資という扱いになります。

貸金業登録でないファクタリング会社が買戻請求権や償還請求権のある契約を求めることは違法ですので、そのような違法業者とは絶対に契約しないようにしてください。

3. 担保や経営者保証が付いている

繰り返しとなりますが、ファクタリングは売掛金を譲渡する「売買契約」のため、貸倒れリスクはファクタリング会社が負います。つまり万が一売掛金が取引先から入金されなかった場合、ファクタリング会社に損失が発生し、利用者には請求することはできません。

貸金業登録でないファクタリング会社が利用者に担保を差し出しを要求したり、経営者保証で売掛金の損失を補填することは違法ですので、そのような違法業者とは絶対に契約しないようにしてください。

4. 一括支払いではなく分割も認めてくれる

2者間ファクタリングの場合、売掛先が利用者に売掛金支払い後、利用者はファクタリング会社に一括払いで送金する義務があります。原則、一括払いができなかった時点でファクタリング会社は売掛先に対して債権回収を行います。

きちんと売掛先から入金されているのにも関わらず、一部しか支払わなかった場合には横領罪や詐欺罪が適用され、最悪は懲役10年という重い刑罰が課せられます。

分割払いにしたい時、ファクタリング会社から分割払いを提案されたらどうでしょうか?利用者にとっては嬉しい提案かもしれませんが、分割払いにしてしまうと金利が発生するので、融資という扱いになり、ファクタリング会社は貸金業登録を求められます。

貸金業登録でないファクタリング会社が分割払いのある契約を認めることは違法ですので、そのような違法業者とは絶対に契約しないようにしてください。

5. 手数料以外に利息を請求してくる

ファクタリングには必ず手数料が必要で、2社間ファクタリングで5~20%ほど、3社間ファクタリングで1~10%ほどです。これはあくまでも売掛金譲渡の手数料であり、利息ではありません。

もしファクタリングと言いながら手数料の他に利息を請求された場合、間違いなく違法ファクタリング業者です。利息を請求できるのは融資であり、売掛金譲渡は手数料のみです。

そもそもファクタリング自体に利息という概念はありませんので十分にご注意ください。

6. 手数料が著しく高い/不明瞭

ファクタリング手数料は審査によって大きく変わります。審査項目は、①売掛先の信用力、②売掛金の信用力、③利用者の信用力です。

これらを勘案したうえで手数料が決まりますが、一般的には相場があります。

  • 2者間ファクタリング;5〜20%
  • 3者間ファクタリング:1〜10%

提示された手数料がこの相場を超えて著しく高い場合、利用者にとって不利益な契約となります。手数料の妥当性を判断するためにも、必ず複数の会社から見積を提示してもらうようにしましょう。

まとめ

事前確認すべき4のポイントを整理します。

  1. 会社情報(住所、固定電話、公式サイト)は開示されているか
  2. 「審査なし」「簡単」などのメリットが強調されていないか
  3. 貸金業登録無しで融資や給与ファクタリングを勧めてくる
  4. 見積書は出されるか、見積内容は明確か

次に、契約時に確認すべき6つのポイントを整理します。

  1. 契約書はあるか、契約内容は明確か
  2. 買戻請求権や償還請求権(リコース)の条件が記載されていないか
  3. 担保や経営者保証が付いていないか
  4. 一括支払いではなく分割が認められているか
  5. 手数料以外に利息を請求してこないか
  6. 手数料が著しく高い又は不明瞭ということはないか

ファクタリングマッチでは、厳選したファクタリング会社のみ紹介します。万が一、違法な事例が見つかった場合、ファクタリングマッチ運営事務局の判断にて退会させます。

カテゴリ

キーワードで探す

関連コラム